いなかのなーす

ゆるい幸せをだらっと続けたい。28歳になりました。好奇心を忘れずに。

脳神経のアセスメント オススメの1冊

前どこの病棟にいたの?

脳外科にいたんすよ(・∀・)

私脳のこと苦手なんよね-。どこでどんな症状が出るか覚えれんのよT^T

救命センターは様々な疾患の患者が入院しているため、脳の神経症状は少し複雑でDrコールをするかどうか迷う場面も多いようです。(特に脳外科医師が当直勤務していない夜などは気を遣いますよね)

僕の考え方としては

医師に報告し、何らかの介入をすることで、患者状態の改善or悪化を予防できる可能性がある

をすぐに医師に報告する基準としています(脳外科だけちゃうやろそれ...)

臨床で遭遇する例として2つ挙げてみます。

① 右中大脳動脈閉塞による広範囲脳塞栓症の患者。GCS:E3M5V4 左片麻痺。抗凝固薬のヘパリンが投与されている。検温に行くと右瞳孔4.0mm左瞳孔3.0mmと瞳孔不同を認めた。医師に報告し頭部CT検査。右脳梗塞領域に出血を認めたため、ヘパリン投与の中止とグリセレブ投与開始となった。

② 右IC-PCの動脈瘤破裂に対して開頭クリッピング術施行の患者。GCS:E4M6V4 四肢麻痺なし。脳血管攣縮予防のため塩酸ファスジル(エリル)とオザグレルNaが投与されている。検温に行くと失見当識と点滴を何度も触るような行動を認めた。四肢麻痺はない。医師に報告しHES製剤の輸液を行い頭部MRI検査を行った。

 

①の例では右側の瞳孔の散瞳という所見から「右の動眼神経の圧迫=右の脳浮腫悪化」を考えます。右の脳梗塞による浮腫の悪化 or 出血性梗塞になり出血による浮腫の悪化の両方が考えられるため、すぐにDrコールです。

  • 瞳孔の散瞳や対光反射は動眼神経が関係している
  • 動眼神経は中脳から神経が出ている

この2つを知っていると、

「中脳って脳の中枢部分じゃん。橋・延髄と障害が進むと呼吸も止まるよね。先生呼ぼ!」

となると思います。

 

②の例では意識清明だった人が何だかおかしな事を言い始めた、ちょっとせん妄っぽくなってきたという所見から「せん妄・意識障害=脳の虚血」を考えます。脳血管攣縮による血流低下が考えられるため、すぐにDrコールです。

  • 脳の虚血は意識変容やせん妄を引き起こす
  • 血管が詰まりかけているかも知れないから早めの介入が大事!

こう考えると、

「これ放っておくと、麻痺とか出てきて脳梗塞になっちゃうかも。先生呼ぼ!」

となると思います。

 

すべて教科書通りではない

脳神経の症状はすべてが教科書通りではありません。だからこそ難しいと感じる人も多いかもしれません。

脳神経の苦手意識をなくすには臨床経験と教科書の振り返りが大切だと思います。

  • 病変は右なのか左なのか
  • どの血管の脳梗塞なのか
  • 脳出血はどの領域なのか

これらをメモし担当した患者さんの症状がどうだったか振り返るようにすると、「眼の症状は教科書と一緒だったな」「麻痺の症状は出ないのか」など知識が蓄積されていきます。するとカルテから例えば「左視床出血」と病名を情報収集するだけで、ある程度どんな症状が出るか予測できるようになります。

ここまでくれば脳神経のアセスメントが苦手なんかでは全然ありません。むしろ「なんでこんな症状が出ているんだろう?」と積極的に本を開くようになっているかも♪( ´θ`)

以上ざっと書きましたがどうだったでしょうか。

臨床ですぐに使える本がほしいと思った方にはこの本をオススメします。看護師さんが書いているのでとっても現場目線です。病気が〇えるシリーズでは全然見えんわ!って方少し読んでみてください。