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看護師4年目のブログ

4年目看護師として思うこと

看護師とデータ集計

看護師という仕事をしていて、けっこうデータを取る仕事が多い。部署の手指衛生の遵守率や○○のマニュアルを知っている人数や超過勤務時間の平均値など。でもデータを取っている自分自身、「このデータ取ってどうするんだよ」と思うことも多い。

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

 

データを集計することにその価値があるのか考える必要がある。その価値がないただのデータをこの本では「ふーんとしか言えないグラフ」と呼んでる。すごく的確。

 
そうならないためには以下の3つの問いを常に考える必要があるそう。 
看護師っぽく手指衛生の徹底で考えてみる。例えば「部署の手指衛生のアドヒアランスを集計して看護師に提示すること」は、「手指衛生をする看護師の増加につながる」のか。
 
1.何らかの要因を変えれば利益は向上するか?
どんなデータを取るかが重要な気がするが、例えば手指衛生遵守率と院内感染の相関など。手洗いの遵守率の向上させれば病棟内感染は減少しそうなので利益はある。というか病棟内でMRSAなどの接触感染系の耐性菌感染が続けば不利益でしかない。
2.要因を変えるための行動は可能なのか?        
おそらく手指衛生ができていない人や状況はある程度決まっていそう。その人たちが実施率を上げるだけでも部署全体の実施率はある程度向上するのではないか。「みんな手洗いできてないですよー」と言うより、個別指導のほうが効果が出そうである。しかしここではどれだけ手指衛生を看護師の習慣とできるかがポイント。習慣にならなければ一時的な『手洗い運動』、小学生でもできる。
3.その利益はかけた手間を上回るのか?          
ここでの手間にデータの集計も入ってくる。ここでさっきの「ふーんとしか言えないグラフ」を作ることはただの時間の無駄ということ。きれいなグラフ作りは自己満足の象徴(看護師の多くはこの自己満足を褒め称える)。
大事なのはデータを使って何をするか。データは何の目的のために集めたのか。手間のかけ方を考える必要がある。
 
僕は2年目の時に部署で手指衛生アドヒアランス向上に取り組んだ。一番データ集計で難航したのは、手指衛生の遵守実施率だった。看護師の手指衛生するポイントをすべて把握しデータ化することは不可能なので、僕がランダムに選んだ時の手指衛生遵守率で算出した。こんなに信用できないデータは他にないだろうな。
 
看護師(とくに管理者)はデータ好きだが、集計に見合う価値をしっかり考えている人はどれだけいるのか疑問だ。

年功序列は羨ましい?看護師の給与体制

年功序列をうらやむ韓国を扱った記事を読んだ。日本の大卒社員の初任給は約316万円。それに比べ韓国は約363万円。しかし、主任クラスへ昇進した後、この優劣は逆転する。

主任クラスの平均給与は日本510万円>韓国487万円。その後も年功序列には給与は上がらない。出世するほど割りに合わないと歳をつるにつれ給与への不満は増大する。勤労意欲が低下し、仕事の生産性も下がる。また主任に昇進する時期というのは、所帯持ちが増え、教育費・住居費などの出費も多くなってくる年齢と重なり、さらに給与への不満を増大させる。

日本の年功序列は「上位職につけば役割と責任が重くなる。それに対して確実に保障をすべきだ。」という考えが作った制度である。これは雇用される側にとっても悪い話ではないはずだ。一部の能力の高い人間だけでなく、並やそれ以下の人間にもある程度の生活レベルが保障される。最大多数の最大幸福を実現する方法としては最もよいのではないか。

でもなぜ僕らは年功序列に嫌悪感を示すのだろうか?

Disgust

看護師の給与体系はおそらく韓国企業モデルに類似している。実際に現場では、僕たち若手と同じように夜勤を課せられながら管理業務が追加され、給与もそれほど差のない病棟主任のポジションには誰もなりたがらない。

看護師の給与体系が年功序列に則していたなら、今ほど看護師転職サービスが発達することもなかっただろうか。

そして年功序列の給与がしかれた現場では、仕事のできる若手ナースは仕事のできない先輩ナースを見て「動かないのになんで給料が高いのか」と思うようになる。

年寄りに優しく、若者に厳しい日本の社会システム。まだ若者である自分が嫌悪感を抱くのも仕方ないかもしれない。

フルーツ売りの給料

病院内にフルーツだけを売っている店がある。おそらく見舞い用にそこのフルーツは買っていかれるのだろう。こういった青果店は病院では一般的なのだろうか。

「彼女は一体いくら貰っているんだろう」

毎日朝から晩までそこに座っている女性がいる。まるで魚を待っている釣り人みたいに。

僕が職場に行く時、必ずその店の横を通る。が、思い返してもその店で買い物をしている客を見たことがない。たいてい明らかに暇そうにしているかパソコンで何かしている。

Secret Separation

「看護師みたいに忙しい仕事他にはないんじゃないか」

時に看護師は仕事の忙しさのアピールや睡眠不足のアピールをする。そして「暇そうな人」を嫌う。だが僕もそんな看護師の1人になってしまった。

そんなところで座ってないで、薬の配達をしてくれないか。目の前に薬剤部があるじゃないか。

コンビニにカットフルーツが売ってあるよ。そこで一緒に売ったらどうだい?そもそも切られていないメロンなんて持って来ないでほしいってみんな思ってるよ。

Cat Cornering Melon

どうやったらもっとフルーツが売れるのか。彼女にはそんなこと求められていないのかもしれない。

「決められた時間、ここに座っていてくれ。それが君の仕事だ。」

ある意味そんな仕事がまだ存在していることがありがたいことかもしれない。日本社会は働き手を失いつつある。また同時に多くのモノやサービスが自動化されていく。僕が今のようにスタスタ歩けなくなった時、このような仕事は残っているだろうか。

そんなことを考えると、一概にはあんな仕事要らないなんて言えない。